2005年12月17日

絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」

イッツ・オンリー・トーク

さばさばしていて読後感が非常にいい。

だけど読み始めたときは全くそうは思っていなくて、むしろ
「あー、ありがちな小説か〜」
と感じていたのです。

特に若い女性の作家に多い気がするのですが、変わった性癖があったり、自殺を繰り返してしまったり、精神を患っていたりする人をやたらと登場させる小説があふれかえっていると思うのは私だけでしょうか。
もちろん、現代社会にこんな問題が多いのは分かっているけれど、こういう作品を読むたび、設定にのっかって、逃げてるな…って感じてしまう。

そういう意味でこの作品も「ありがちな…」と感じたのですが、その他の「逃げ」の作品と違い、「この登場人物たちはちょっと変わってますけど」という雰囲気を作者自身が作中で匂わせているところに好感が持てた。
「この登場人物たちは世間一般的な人物です」と言われ続けてきたイチ読者としては、「世の中には一般的じゃないかもしれないけど、こーいう人もおるんよ、ま、読んでよ」というふうなこの作風に、爽やかさまで感じてしまった。

また、作中に作者・絲山秋子さんが「車好き」で「音楽好き」なところも見え隠れして、それも楽しい。
「イッツ・オンリー・トーク」の〆方なんか、サイコーにオシャレだと思う。

もう1つの短編「第七障害」もいい。
むしろこちらの方が私は好きだったかもしれない。

登場人物はどちらも女性だが、恋愛という面では不器用だが、人間としてはユニークだし、さばさばしていてカッコイイ。
私好みだった、のは間違いない。

第96回文学界新人賞受賞。

なななーんと、本人によるHPあり。
手作り感あふれてます。面白いっ。

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posted by 参 at 22:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 絲山秋子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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