2006年12月15日

小池真理子「恋」

恋小池 真理子

新潮社 2002-12
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おすすめ平均 star
star何度読んでも涙が出てくる、いい本だ。
star小池真理子の、ひとつの原点かも・・
star恋とは畢竟、不条理なものである

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夜中かじりついてこの本を読んだ。
あっという間に読み終えた。とにかく面白かった。

「性的倒錯」と言われてもおかしくない、一般的には理解しがたい生活を送る大学教授夫妻。
アルバイトとして彼らに雇われた主人公はその常識はずれな生活に戸惑い、
反発しながらも、惹かれてしかたがなくなってしまう。
やがて、一つの「恋」が巻き起こす事件とその結末は…。

帯によると、小池真理子は「官能サスペンス作家」らしい。
その辺はどうなのか、これを読んだ限りそう断定的には思わなかったけれど
確かにねぇ、筆致が色っぽくて上品なのよね。
文章が色っぽいって、すごいよね。

そんなわけで文章にすっかり惚れてしまったせいか、
主人公も皆、魅力的で…主人公の惚れるわけがよく分かると思うほどに
ハマっていってしまいました。
要するに、伝えたい魅力がそれ以上に読者に伝わってきてるってことでしょう。

何よりも好ましく思ったのは「救いがある」ところ。
夫妻の抱える秘密も、起こした事件の顛末も、
どうしようもなく「救いがない」のに、読後に幸せな気持ちすら覚えるのは
主人公の「恋」が見捨てられず、しっかりと結びついたままだということが分かるからなのだろう。

ルポライターが取材→主人公が告白→ルポライターがその後を追う、
という展開も、ワンクッション置くことで生々しくなく感じたのかもしれません。

もっと他の小説が読みたくなる、そんな作品でした。
posted by 参 at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 小池真理子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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